「うらやま」の豊かな自然を再発見しよう。

犬山水生生物園たより(5)

犬山水生生物園(善師野平谷湿地)たより(5

夏が早く訪れました。水生園の花の季節も早く進みます。追いかけるのも大変です。

6月の定例活動部は9日(水)ですが、ハンカイソウの開花が心配で、1日に調査に出かけました。

やはり、大きな黄色い花が目立っていました。今日はこのハンカイソウのお話しです。

我が国では本州静岡県以西・四国・九州に分布し、県によっては絶滅危惧種に指定しています。山地や草原などに生える湿性の植物で、草丈60~100㎝、深く切れ込んだ大きな葉が特徴的です。日本が中国と陸続きの時代に大陸から渡ってきたと考えられる植物です。名前の由来も中国に関わりがあり、紀元前2世紀、中国の前漢初代皇帝高祖劉邦(りゅうほう)に仕えた有名な武将樊噲(はんかい)の名に因んでつけられており、男性的な草の立ち姿が武勇に優れた樊噲を思わせます。また花言葉は「清々しい」「わずかな愛」等です。

もう一つは「アワフキムシ」。今の季節少し気をつけて草むらを見ると見つけることが出来ます。「アワフキムシ」を漢字で書くと「泡吹虫」、カメムシ目の昆虫の総称で、幼虫が身を守るために排泄物を泡立てて巣をつくるので、この名前がつきました。

夏季の水生生物園は草との戦いです。花の色も黄色から白色また黄色、次はヌマトラノオの白い花になります。

(2021年6月9日記)